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かんてい通信

かんてい通信 第010号 題名:環境不動産に対する投資家の意識

 「環境不動産に対する投資について」という特別アンケートが(財)日本不動産研究所の第25回不動産投資家調査(11月24日発表)に併せて行われました。
 その結果を要約すると

 @ 「環境不動産*」に対する意識は高いが、現時点では価格に影響を与えていない。

 A 将来、価格に影響を与えたとした場合のインパクトは利回りで平均0.1%程度。

 B 投資において重要視される主たる項目、室内環境では、「個別空調」、「汚染物質対応」
   建物機能では、「耐震免震制震」、「設備メンテナンス」
   資源利用では、「健康被害・環境被害型材料の不使用」
   敷地外環境では、「公共交通機関の利便性」が挙げられる。

 @について、世の中はエコブームですが、不動産に関してはイメージが先行し、浸透度合いが低いと捉えるのが実態に近いようです。
 Aについてはちょっとおもしろそうだったので簡単な計算をしてみました。想定は東京都内にある8階建の中規模事務所ビル。1階当りの賃貸床面積は約125坪(約413u)で延床面積は1,000坪(約3,305u)。平均賃料は月額2万円/坪当り。経費率は30%とします。
 この場合の月額賃料収入は2千万円。年額2億4千万円です。
 経費率は30%なので正味の収益は
 2億4千万円×70%=1億6千8百万円
となります。
 この時の還元利回りが環境不動産で5%とするとこの不動産の投資価値は
 168百万円÷0.05=33億6千万円
環境不動産でない場合は0.1%上乗されるので168百万円÷0.051≒32億9千万円でその差は約7千万円、率では約2%の差ができます。

 また還元利回りが10%だったとすると上記と同様に計算して、環境不動産は16億8千万円、そうでない場合は16億6千万円でその差は2千万円、率では約1%の差となります。
 この結果から環境不動産で有るか無いかの価格差を現時点では平均で1〜2%程度と投資家は見ているということになります。

 今年の8月のニュースレターで環境配慮型の建物について取り上げましたが、環境配慮型ビルにすることによる建築費のコストアップは約10%と申し上げました。不動産の価格の半分は土地代としても、不動産としてのコストアップは5%程度になるので投資家は環境不動産としてのコストアップに見合った価格の優位性を見ていないように思います。
 将来的には環境不動産にシフトしていくものと思われますが今後、環境不動産と非環境不動産の利回りスプレッドがどの程度広がって行くのかは注視しておきたいと思います。
 今年も残り少なくなりました、どうぞ良いお年をお迎えください。

(執筆者:不動産鑑定士 井上 尚)
 *持続可能な環境価値の高い不動産。国交省HP より

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