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かんてい通信

かんてい通信 第030号 題名:アベノミクスにおける消費税と地価

 参院選の結果を見る限り概ね国民の支持を得ていると思われる安倍政権の経済政策ですが、大きな問題のひとつに消費税増税があり、引き上げの時期がこの9月に判断されることが予定されています。 土地の売買には消費税は賦課されないので直接の影響は無いかもしれませんが経済全体に大きなインパクトを与える可能性は高く、地価にも何らかの影響があると思われます。 そこで、過去にはどのようなことが起きたのか調べてみました。
 消費税は1989年(平成元年)4月に初めて導入され、税率は3%。その後1997年(平成9年)4月に税率が5%に引き上げられました。 特に5%に引き上げられた後の1997年秋には三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券が破たんし、翌98年には日本長期信用銀行、日本債券信用銀等の金融機関が次々に破たんするというセンセーショナルな出来事がありました。
  経済成長率(名目GDP、内閣府・暦年・支出側・2000年基準)は3%導入の前後で88年4.0%、89年7.7%、90年8.0%と高成長を維持していましたが、5%引き上げの前後は96年2.0%、97年2.1%、98年▲2.1%と低成長からマイナス成長へと落ち込んでいます。下図1参照

<図 1>
  次に今回のテーマである地価はどのように推移したかを市街地価格指数・全国全用途(一般財団法人日本不動産研究所研究部発表)で見てみますと、88年10.0%、89年7.6%、90年14.1%で消費税3%導入前後は高い上昇率を示しています。一方5%引上げ前後は96年▲4.4%、97年▲4.1%、98年▲3.5%といずれも下落を示しています。下図2参照

<図2>
 マンションの供給戸数(不動産近代化流通センター調べ)は88年12.3万戸、89年14.8万戸、90年16.4万戸で、96年20.0万戸、97年18.2万戸、98年18.4万戸であり5%に引上げ前には駆け込み需要があったように推定されますが地価下落率は変りません。 以上みてきた限りでは消費税導入・増税と地価の下落は直接の関係は無いように見えます。しかし、消費税導入の2年後にバブル経済が崩壊しそれから地価の全国平均は下落の一途をたどっています。また、5%に増税した年に国内の金融機関の大混乱が始まりその後デフレ経済に陥りました。このような歴史を振り返ると消費税増税は経済にとってあまり良いとは思えません。安倍政権になり地価はようやく下げ止まりから上昇に転じる兆しを感じるようになりましたが、増税を契機に再び下落に転じることのないようしっかりとした措置を講じることを期待したいと思います。 (執筆者: 不動産鑑定士 井上 尚)

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