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かんてい通信

かんてい通信 第037号 題名:2014年地価公示雑感

 国土交通省より3月18日に平成26年度の地価公示の結果が発表されました。
 全国各地には、この地価公示の対象となる土地(標準地という)が設定されていますが、10年前の標準地の地点数は31,866地点有りましたが、本年度の標準地の地点数は23,380地点となっており、10年前と比較して約3割程度標準地が削減されている状況です。
 前政権において行われた事業仕訳や一部識者などの間では、地価公示制度に対して否定的な意見も有りますが、地価公示の結果は相続税路線価や固定資産税評価など公的な土地価格指標を支えるための基点の役割を果たしており、標準地の地点数の削減が進みすぎると適正な公的土地価格指標を維持することが難しくなることが考えられます。
 そして、適正な公的土地指標が維持できなくなった場合は、固定資産税や相続税を算定する場合において、バランスを欠いた不公平感等が生じる可能性があります。
 さて、我田引水気味に地価公示制度に対する擁護を少々いたしましたが、ここから先は本年度発表の地価公示結果の概要について述べたいと思います。 下記表は、各圏域別の住宅地、商業地の対前年変動率です。

       住宅地 商業地
東京圏        0.7% 1.7%
大阪圏       △0.1% 1.4%
名古屋圏        1.1% 1.8%
地方圏       △1.5% △2.1%

 本年度は、三大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)では、住宅地、商業地ともに地価は上昇に転換し、住宅地では約2分の1地点、商業地では約3分の2地点が上昇しました。
 地方圏では、住宅地、商業地ともに約4分の3地点が下落しているものの、下落率は縮小傾向が継続しており、地価は全般的に回復基調にあります。
 住宅地における地価上昇率の上位1位から8位までは、宮城県、福島県の地点が占めており9位、10位は東京都中央区の地点となっています。
 住宅地の地価上昇率の上位8地点は、昨年に引き続き被災住民の移転需要などによる影響で地価が上昇しており、残り東京の2地点は、東京オリンピックの影響を受けての地価上昇となっています。 次に、商業地における地価上昇率の上位は、唯一4位に地方圏の商業地が入っているほかは、三大都市圏の商業地が占めています。
 4位に入った商業地は、金沢市にある商業地であり、平成27年春に予定されている北陸新幹線開業による地価上昇であり、北陸新幹線への期待の高さが伺われます。
 その他の商業地についても、交通利便性の向上や都市再開発等よる地域発展への期待から地価が上昇しているようです。
 一方で、地価下落率1位となったのは、住宅地、商業地ともに大島町の地点であり、これは昨年発生しました土砂災害による影響と考えられます。
 このように地価公示の地価上昇率及び下落率の上位の地点を見てみると、現在から将来における様々な要因を織り込んで、今後発展が期待できそうな地域や衰退が起きそうな地域を推定するための指標の一つとして捉えることも可能ではないかと思われます。
 地価公示の発表後には、テレビや新聞において一斉に報じられていることからも地価公示に対する一定の認知度はあると思われますが、標準地の削減が進んでいる現在においては、地価公示制度がどのようなものなのか、人々にどのような役に立つのかについての理解を深めていくことが一層必要だと感じております。

 2014.3.31(執筆者:不動産鑑定士 西田直樹)

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