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かんてい通信

かんてい通信 第039号 題名:2016豊洲新市場「千客万来施設」の借地料

 2014年2月、東京都の築地市場(中央区)から移転する豊洲新市場(江東区)の起工式が行われました。(完成予定2016年3月)
 新市場には本来の市場機能のほかに、現在の場外市場や観光・レジャーの機能を盛り込んだ民設民営の「千客万来施設」が敷地内に設けられ、同時にオープンする予定となっています。
 この施設はゆりかもめ「市場前」駅至近の2区画計17,000uに延4万uと2.6万uの建物を建て、場外市場やフードコートのほか、首都圏最大級の温浴施設も設けて、国内外から年間約420万人を集客する東京観光のハブとする目標が事業予定者の提案に示されています。
 施設の敷地は東京都が30年間(施設建設工事及び除却工事期間は含まない)の事業用定期借地権方式(期間満了時に建物を除却して土地の返還を要す)により、事業予定者に貸し出される予定となっており、貸付料は2区画合計で月額11,394千円以上、保証金は貸付料の12か月分との募集条件でした。2013年8月の説明会には多数の参加者がありましたが、同年11月に提案書を提出したのは2グループのみで、そのうち1グループが審査期間中の2014年1月に辞退し、同年2月、事業予定者は「まぐろグループ」((株)喜代村(代表企業)、大和ハウス工業(株))に決定され、借地料は最低ラインの年間136,728千円(8,043円/u)となりました。
 この借地料が高いか安いかについて考えてみたいと思います。事業予定地は都有地で、固定資産税・都市計画税は非課税ですが、民有地の場合は課税されますので、東京都が民間業者に都有地を利用させる場合の地代は、固定資産税等相当額以上とするのが妥当と思われます。
 そこで、さきほどの募集最低借地料が固定資産税等相当額であると仮定して、事業予定地の時価を推定してみますと、評価額を時価(地価公示価格なみ)の7割、課税標準額を評価額の7割、税率を1.7%(固定資産税率1.4%+都市計画税率0.3%)とした場合、8,043円/u÷1.7%÷0.7÷0.7=966千円/uとなります。(年間借地料は土地の時価の約0.8%)
 一方2014年地価公示の、地下鉄有楽町線豊洲駅近接の豊洲4丁目に所在する中層店舗兼事務所ビルの建ち並ぶ幅員40m道路に面した指定容積率400%の165uの土地で822千円/uですので、さきほどの推定値は的外れな価格とも思えません。
 なお、新市場の用地費1,860億円、土壌汚染対策費672億円、基盤整備費436億円の予算合計を新市場予定地面積40万uで割ると1u当たりの用地整備費は742千円となります。
 ところで、現在東京都は臨海副都心の江東区青海2丁目に所在する業務用地2区画を売却または長期貸付(貸付期間30年、更新可能)の選択により利用する事業者を公募中です。
 その内の1区画はゆりかもめ「テレコムセンター」駅至近の約5,186.01uの土地で、売却価格は888,500円/u、長期貸付の場合、権利金2,304百万円(保証金とは異なり、権利金は返還されません)、貸付料月額11,518千円とされています。長期貸付の年間借地料単価は26,652円/u(土地価格の3%)となりますが、契約期間の更新が可能であるとはいえ、土地価格の50%の権利金の支払を要することを考慮すれば、千客万来施設の借地料(土地の推定時価の0.8%)に比べ割高感が否めません。
  そもそも、権利金の授受がない事業用定期借地権(更新不可)の場合、その賃借料は権利金の授受のある普通借地契約(更新可)の借地料よりも高いのが通常であることを考えれば、千客万来施設の借地料の安さがうかがえると思います。
2014.05.30(執筆者:不動産鑑定士 江沢正彦)

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