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かんてい通信

かんてい通信 第051号 題名:将来推計人口で占うスカイツリーの将来

 去る5月22日に東京スカイツリーは開業3周年を迎えましたので、ここで収支のカギとなる将来の入場者数を占ってみたいと思います。
 開業以来の入場者数は当初の想定を大幅に上回り、2012年度(12.5.22〜13.3.31 314日間)554万人(365日間換算644万人)、2013年度619万人、2014年度531万人と好調に推移しましたが、2015年度計画は470万人と大幅な減少を見込んでいます。
 東武鉄道(株)が2013年5月9日に発表した2012年度決算説明会資料に掲載された来場者数の計画数は2013年度644万人、2014年度580万人でしたから、入場者数は会社の想定を超えた減少傾向にあるといえそうです。
 こうした事態を受け、会社側は稼働日数の向上対策として、強風による年間15〜40日に及ぶエレベータの運行停止日を削減するため、展望デッキまでのエレベータの改修工事を計画しているようですが、風による展望台等の横揺れは防げないため、どの程度入場者数の増加につながるかは未知数の部分があると思われます。
 ここで、比較のため東京タワーの来塔者数がどのように推移したかを見てみますと、開業1年目の1959年は約500万人、その後9年にわたり約400万人で推移した後急減し、10年ほど約300万人での推移となっていました。(出典:2012/6/9日本経済新聞電子版)
 日本の総人口は東京タワー開業当初の1959年は約92百万人で、来場者予備軍となる出生数は東京タワー開業から20年間は年間160〜200万人(但し丙午の1966年は例外的に136万人)の高水準で推移したため、1959年から20年間の合計は約36百万人でした。
 一方、東京スカイツリー開業の2012年の総人口は約127百万人と東京タワー開業時よりも約35百万人多いものの、今後20年間で出生数は年間約100万人から年間約70万人へ減少し、2012年から20年間の出生数中位推計値の合計は約17百万人と見込まれています。
 東京タワーやスカイツリーなど国内随一の展望台への生涯来塔回数は、子供の時に親に連れられて1回、親となって子供を連れて1回の計2回が多いと思われますので、総人口が同数であったとしても年少人口の割合が多い方が将来の総来塔回数は多くなると予想されます。
 1959年の年少人口(0〜14歳)は約28百万人、生産年齢人口(15〜64歳)は約60百万人で、1979年はそれぞれ、約28百万人、約78百万人で、2012年は同じく約17百万人、約80百万人、その20年後2032年の将来推計人口は同約12百万人、約66百万人ですから、1959年から20年間の平均値は年少人口約28百万人、生産年齢人口約79百万人に対して2012年から20年間の平均値はそれぞれ約15百万人、約73百万人となりますので、スカイツリーの今後の経営環境は開業時の東京タワーに比べてかなり厳しいものとなりそうです。
 東武鉄道(株)が過去に発表した開業2年目の2013年度から2015年度のスカイツリー事業の営業損益及び入場者数の実績値及び計画値をみると、入場者数にかかわらず営業費用は約100億円で入場者1人当たりの営業収益は約32百円であることから、入場者数の損益分岐点は100億円÷32百円≒313万人となります。
 東京タワーの来塔者数の推移と推計人口の推移及び将来の推計人口をみる限り、決して容易なハードルとは思われません。
 (出典:「人口推計」総務省統計局、「日本の将来推計人口」国立社会保障・人口問題研究所)   2015.06.02(執筆者:不動産鑑定士 江沢正彦)

 

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