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かんてい通信

日本、東京のビジネス環境と不動産

 新年を迎えるにあたって新しい計画や構想を練られた方も多いと思いますが、今回は私が最近、気になった不動産に関わるニュース等をご紹介したいと思います。今後の参考になれば幸いです。
   まず、ひとつ目は2015年10月27日に世界銀行が世界189カ国・地域のビジネスのしやすさを順位付けしたビジネス環境ランキング2016についてです。それによると日本は前年より順位を4つ下げて34位となっています。「税の支払い」の項目が121位と低く、全体の足を引っ張ったためと日経新聞では解説しています。
   世界銀行は各国・地域の電力事情や資金調達、税制など10項目を分析しランキングをまとめていて1位は昨年に続きシンガポールで、ニュージーランドが2位、デンマークが3位となっています。東アジアでは韓国が4位、香港が5位、中国が84位です。また米国は7位となっています。
   これは各国・地域の電力事情や資金調達、税制など10項目を分析しランキングしたものですが、日本は最も評価が高いのは2位の企業の破綻処理の手続きで、最も低いのは税の支払いで121位です。不動産に関連するものは不動産登記手続きで、土地管理の質に関する指標によって、土地管理システムの信頼性、透明性、地理的対象範囲に加え、土地問題の紛争解決の側面までが評価の対象となっていて日本の順位は48位となっています。私が着目したのはコスト面です、日本は不動産価格に対して5.8%となっています。因みに総合1位のシンガポールは登記手続きの順位は17位、コストは2.9%となっています。米国の登記手続きの順位は34位コストは2.4%です。
   安倍政権は6月にまとめた成長戦略に「2020年までに先進国で3位以内を目指す」との目標を掲げていましたが16年は先進国ベースでみても24位にとどまっています。今後、取り組みが進み不動産流通の阻害要因の一つである流通コストが下がれば不動産の市況の活発化の一助になるのではないかと期待しています。
   次のニュースは2015年12月1日に山本順三、国土交通相副大臣に東京商工会議所が提出した、「2020年を見据えた首都・東京の国際競争力強化に関する要望」についてです。これは東京のビジネス環境における課題(ビジネスコスト、規制・許認可制度、外国人受入環境)を解決し、外国企業誘致と国内企業の活性化を図るとともに、世界トップクラスの交通インフラの整備、都市防災機能の向上により、世界の都市間競争を勝ち抜き、国際ビジネス拠点としての確固たる地位を確立することが必要であるとの立場から、5項目に渡り具体策を要望してます。項目のひとつに災害に強く、「世界一安全・安心な都市」を実現するための政策がありその細項目に電線地中化・無電柱化の推進があります。
   恥ずかしながら私は詳しい数字を知らなかったのですがロンドン・パリ(100%)などのヨーロッパの主要都市や香港(100%)・シンガポール(93%)などのアジアの主要都市では無電柱化が概成しているのに対して、日本の無電柱化率は東京23区で7%、大阪市で5%と大幅に立ち遅れています。これに対して政府の取り組みは昭和61年度から3期にわたる「電線類地中化計画」、平成11〜15年度の「新電線類地中化計画」、平成16〜20年度の「無電柱化推進計画」に基づき、整備を行ってきています。電線地中化・無電柱化の推進は、発災時の電線類の被災や電柱の倒壊による道路閉塞を防止するだけでなく、良好な景観形成や、安全で快適な通行空間の確保にも寄与するものであるためスピード感を持った取り組みを期待したいものです。
   以上2点だけを取り上げてみても日本は世界のビジネス環境の整った国と比較すると立ち遅れている点が色々あることに気づかされます。
   2020年の東京オリンピックを目指し、ビジネス環境を整えることにより、観光客にとっても利便性の高い環境が整うことになると思います。日本は外国人訪問者数ランキングでは世界で22位、まだまだ改善の余地があると思います。益々の取り組みを期待したいと思います。  
(執筆者: 不動産鑑定士 井上 尚)


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