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かんてい通信

かんてい通信 第066号 題名:迫りつつある生産緑地の2022年問題(3)

 去る9月6日の日本経済新聞朝刊に農林水産省と国土交通省は2022年以降指定後30年を迎える生産緑地を維持するため、自ら営農しなくとも所有する生産緑地を企業やNOPに農地として貸し出せば、相続税の納税猶予の対象とするなどの対策に乗り出すとの報道がありました。
 前回述べた通り、生産緑地地区指定30年経過後いつでも買取申出が可能となった生産緑地について、固定資産税の農地並み課税及び相続税の納税猶予(相続税評価額は宅地並みで、譲渡等・農業経営廃止・買取申出時までの納税期限猶予及び終身営農を条件に相続人の死亡時に納税猶予相続税を免除)という税制上の優遇措置は、固定資産評価基準及び租税特別措置法に指定後30年経過後の生産緑地についての適用除外規定がないため、現行法等が継続する限り、買取申出がなされていない生産緑地については継続するものと思われます。
 また、同様に「2022年の法制度次第とはなりますが、他の生産緑地所有者の動向をみながら、農業を継続しつつ生産緑地の利用計画や売却時期をじっくり検討することも選択肢の一つとなりえます。」については自ら農業を継続しなくとも、他人に農地を貸せば良いこととなれば、様子見の選択肢はさらに楽になることでしょう。
 ただし、かんてい通信No.64で述べた通り自治体によっては買取申し出が可能な時期を30年経過後「概ね1年以内」に限るところもあるようですので注意が必要です。
 ところで、2022年問題は主に郊外での宅地大量供給による地価下落懸念を問題点として捉えたものですが、生産緑地の所有者にとっては農地をいつでも市場価値の高い宅地に替えて売却できることを意味しますので、単純に生産緑地所有者の所有資産価値=購買力の急激な増大を意味します。
 そこで2022年における平成27年3月31日現在の東京都の生産緑地について、生産緑地の時価を推定するため、都市別の生産緑地1地区当たりの面積(及び都市別の総面積)に都市ごとの平成29年地価公示における市街化区域住宅地の最低公示価格を乗じてランキングしたところ、以下の通りとなりました。(抜粋)
 1地区当り評価額   評価総額
 1三 鷹  1,144百万円   3,516億円
 2武蔵野  1,135百万円     954億円
 3国分寺   993百万円    2,490億円
 4杉 並   980百万円    1,341億円
 5西東京   884百万円    2,658億円
 6目 黒   877百万円     149億円
 7清 瀬    830百万円   2,199億円
 8小 平    817百万円   3,104億円
 9中 野    774百万円     85億円
 10東久留米  739百万円   2,292億円
   ---------------------------------
 15練 馬 622百万円4,148億円(総額1位)
   ---------------------------------
 20世田谷   466百万円   2,471億円
   ---------------------------------
 東京都合計          51,462億円
 2022年に指定後30年を迎える生産緑地は全体の8割程度であるとされ、時価も土地の立地条件その他に大きく左右されますので非常にラフな推計ですが、1件当たりの保有資産額の大きさもさることながら、東京都全体で約5兆円の時価総額ということになれば、その影響は軽視できないものと思われます。
 例えば、相続税対策で都心部のマンションや収益不動産に資産の組み換えが行われるとすれば、郊外住宅地の地価下落と都心部の不動産の高騰が同時に進行する事態も想定されます。
2017.09.15(執筆者:不動産鑑定士 江沢正彦) 

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