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かんてい通信

かんてい通信 第069号 題名:品川新駅周辺再開発に見る鉄道用地の錬金術

 去る9月25日、JR東日本は品川新駅の周辺地域で計画する再開発プロジェクトに係る都市計画案の概要を発表しました。
 新駅の西側に隣接して南北約1.6kmに伸びる紡錘形の計画地のうち南側の部分(5・6街区:将来整備予定)を除いた区域約9.5haを都市再生特別地区として4街区に分けマンションやオフィス、ホテル、文化ホール、商業施設など5棟の建物、延約851千uを2019〜2024年度にかけて建設する計画であり、計画区域の指定容積率の加重平均値約408%に対して国家戦略住宅整備事業を活用することにより都市再生特別地区に定める容積率930%に加えて約30%の緩和を受けることにより全体の容積率の最高限度を約960%とする計画となっています。
 再開発予定地は東海道本線系の車両基地であった田町車両センター跡地と現在運行中の山手線と京浜東北線(北行)の線路用地で、それらの線路は東側の品川新駅(2020年暫定開業予定)付近に移設される予定です。
  田町車両センターの機能は2013年11月に東側の隣接地(同じ品川車両留置基地内)に移設されており、さらに2015年3月の上野東京ラインの開業後、東北本線(宇都宮線)・高崎線・常磐線と東海道本線との相互直通運転が開始されたことにより、東海道本線車両を東京駅以北の車両センターへ留置することが可能となりました。そのため品川車両基地の機能をさらに縮小し、運行中の線路の移設を行うことにより、再開発用地約13haが創出されることとなりました。
 上野東京ラインとは東北新幹線の東京駅乗り入れに伴い線路用地が新幹線に転用された上野駅東京駅間の旧東北本線列車線を新幹線の建設時に高架左右に確保されていた高高架橋支柱設置スペースを利用して新幹線線路直上高架に複線として再度敷設した路線であり、建設費は約400億円とされています。
 田町車両センター跡地の整備ならびに既存線の移設費は不明ですが、品川新駅建設費が約190億円とされていますので、品川新駅近接の再開発用地約13haを創出するための費用を上野東京ラインの建設費、新駅建設費、車両センター整備費、既存線移設費の合計額として1,000億円と仮定すると、JR東日本は1,000億円で13haの品川新駅近接のビル用地を取得することになりますが、1u当たりの取得費用は1,000億円÷130,000u≒769千円と廉価である上、前記工事費は鉄道施設として減価償却により費用化が可能ですので、非減価償却資産である土地を購入するより有利であることは明らかです。
 ところで、平成30年相続税路線価図を基にした地価公示ベースの再開発用地の平均価格を1u当たり500万円と推定すると、130,000u×500万円=6,500億円となり、再開発用地創出に要する推定工事費の約6.5倍の価値に達しており、JR東日本の保有地の価値は大きく増大するものと思われます。
 再開発プロジェクトは都市再生機構(UR)と協力して進める計画で、2030年以降開業予定の5・6街区も含めた総事業費は一説によると5,000億円規模ともされる巨大プロジェクトですので、開業予定時期の景気動向が気になるところですが、山手線・京浜東北線発着の品川新駅に近接する立地条件と、JR東海が建設中のリニア中央新幹線の品川・名古屋駅間開業が2027年に予定されていることを勘案すれば、事業リスクは限定的なものにとどまる可能性が高いものと思われます。
 2018.10.30(執筆者:不動産鑑定士 江沢正彦) 

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