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かんてい通信

かんてい通信 第070号 題名:生産緑地所有者のための2022年対策

 平成30年度税制改正により、指定後30年を経過し、いつでも買取申出が可能となる生産緑地について、相続税に関しては、現(30年経過前)に適用を受けている納税猶予については継続(相続人の終身営農を条件に死亡時に免除)されますが、30年経過後に発生した相続については納税猶予を受けられず、固定資産税及び都市計画税については30年経過後は宅地並み評価となり、税額は生産緑地に該当しなくなった(特定)市街化区域農地と同様の激変緩和措置(地方税法附則第19条の3により5年間で段階的に宅地並みの税額へと引き上げ)が講じられるものの、5年経過後は生産緑地に指定されていない(特定)市街化区域農地と同様の扱い(小規模以外の住宅用地並み課税)となりました。
 したがって、現に生産緑地を保有し、指定30年経過後も新たに発生した相続に関する相続税の納税猶予及び固定資産税の優遇措置を受けるためには指定30年経過前に特定生産緑地(10年間の指定期限後に、指定の再延長がされたものを含む)の指定を受ける必要があります。
 ところで、相続税の納税猶予とは終身営農(一定の貸付を含む)を条件として、営農相続人の死亡時に当該相続人の負っていた相続税が免除されるもので、当該相続人の死亡により新たに発生した相続税については、新たな相続人が負うことになるため、複数の相続人間の相続財産の分割がいずれ避けられないならば、固定資産税の優遇措置があるとしても都市農業の低収益性に見合ったものでしかないため、早めの処分または宅地としての有効活用が得策となる場合も多いと思います。
  その場合は相続対策がメインテーマとなるため、処分後に取得する代替資産や有効活用時の不動産の相続税評価額が関心事となります。
 平成29年度税制改正により、平成30年1月1日以後の相続・贈与についての広大地の評価方法の見直しが行われ、生産緑地のような広大地の評価額に大きな影響がありました。
 具体例として路線価400千円/uの普通住宅地区に所在する間口100m、奥行100m、面積10,000uの正方形地の相続税評価額は従来の広大地補正率0.35(0.6-0.05×5000u/1000u)が奥行補正率0.80(奥行100m以上)と規模格差補正率0.67((10,000u×0.80+475u)/10,000u×0.8)の相乗積0.53に見直され、1,400百万円から2,120百万円へ約1.5倍に引き上げられました。
 10,000u未満の正方形地の場合も1.3〜1.6倍程度の評価額の上昇が見込まれますので、将来の相続時に売却可能性のある生産緑地の特定生産緑地指定や、生産緑地の跡地での賃貸アパート経営等は、相続財産の評価額圧縮効果の観点から再考を要する場合があります。
 ところで、上記10,000uの土地の補正率が0.53に止まるのに対して貸付事業用宅地に該当する200uまでの土地については評価額が0.5に減額される小規模宅地等の特例を活用するため、路線価の低い広い土地を路線価の高い200u程度の土地(及び建物:収益用不動産)に買い替えることにより相続税評価額の圧縮を図る対策が考えられます。
 例えば前記10,000uの土地を1u当たり路線価と同じ400千円で売却し、手取り概算額の3,200百万円で都心部の某所高度商業地に所在するSクラスオフィスビルの共有持分を購入することを想定すると、土地持分は約230u、土地建物の相続税評価額は概算1,000百万円に圧縮され償却前の純収益は年間115百万円(利回り3.6%)程度が期待できますので、有力な相続対策となる可能性があると思われます。
2019.03.28(執筆者:不動産鑑定士 江沢正彦) 

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